2.スマートでなくていい

みなさん、こんにちは。

メンタルトレーナーの林史桜(はやしふみお)です。

 

身近なものをメンタルに応用する事例をお伝えします。

 

今日は「目的を達成するのに、スマートにかっこよくなくていいんだ」と気が楽になった時の話です。

 

ある時私は、オオミズナギドリという渡り鳥の観察に行きました。

この鳥は、飛ぶことは得意でも着陸は苦手な鳥です。

 

夜、海から島に帰ってくる鳥たちを待っていたら、

1羽のオオミズナギドリが「落ちてきて」、近くの植え込みに「ハマリました」

大きな羽を広げたまま、身体ごと植え込みにハマッてしまった感じです。

ちょっとマンガみたいな光景で、驚きました。

 

私は近くで観察したくて、そーっと植え込みのそばに寄りました。

オオミズナギドリと目が合い、「あ、ごめんなさい」と思った瞬間、

オオミズナギドリは広げた羽を大急ぎでたたみませんでした。

 

羽ばたくこともありません。

 

ちょっぴりぶざまに大きく羽を広げたまま、動かそうともしません。

 

そして、しばらく見つめ合った後

「…羽、…たたまなくていいの???」

という私の心の声が聞こえたみたいに

オオミズナギドリからは、

「羽、たたむ予定ありませんけど…、何か?」

質問返しをされた気がしました。

焦りや罰の悪さなど全くない、堂々としたまん丸い目。

 

そうか。

あなたは「着陸するために」植え込みに落ちて来たんですよね。

ちょっぴりぶざまに見えようと何だろうと

「着陸」という目的は達成しているわけだから、それで充分。

人が見ているからと言って、急いで羽をたたむ必要はないと。

そもそも「飛んでいる時以外、羽をたたむこと」なんてルールもない。

大変失礼いたしました。

 

私は心の中で謝罪し、そうかそうかと感心しながらその場を離れました。

 

実際には、オオミズナギドリは脳震盪を起こして動けなかっただけかも知れません。

ただ、私にはとても印象的で、気が楽になった出来事でした。

 

ではここで、オオミズナギドリから学んだメンタルポイント。

 

1.目的を達成するために、スマートである必要はない

その時のオオミズナギドリに、スマートなかっこよさはありませんでした。

けれども本当に堂々としていて、魅力的でした。

目的を見失っていないから、何があっても堂々といられる。

かっこよく見せようとして焦った結果、目的達成できなかったら勿体ないですね。

 

2.得手不得手があってもいい

オオミズナギドリは、着陸は不得意ですが、飛ぶ能力はすごいそうです。

「飛ぶのが得意でも、着陸が下手だから鳥としてダメ」とは考えていません。

下手だから、ぶつかっても大丈夫なように、頭蓋骨がもの凄く硬いそうです。

自分の課題が分かれば、対策も打てますね。

 

3.「思い込み」は、あくまであなたの「思い込み」

「人が見ていたら、きちんとしなければ」という自分の考えを、私は、鳥にまであてはめてしまっていました。

あなたも私みたいに、思い込み(自分だけに通用するルール)を人(鳥?)に押し付けてしまったことはありませんか?

「こう思っているのは、もしかして自分だけでは?」

疑ってみると、今までと違う新しいものが見えるかも知れませんね。